本と人生 9
- os2429
- 6月1日
- 読了時間: 2分

友人達の方言が混ざりまくっているため、大阪出身かを疑われがちな大阪人。 粉物をおかずにごはんは食べない派。 図書館司書に憧れていたのに気づけばSE歴が8年目に差し掛かろうとしている。 日本酒が好きなので旅行先では地酒を嗜むのが最近の楽しみのひとつ。

著者の他の作品を過去に読んでいたこと、装丁が心惹かれるものだったことをきっかけにこの本を手に取った。 「ブルーマリッジ」というタイトルを見て、あなたはこの小説がどんな内容と思い浮かべるだろうか。 私はよくある結婚前のカップルの物語なのだろう、そう思った。 その予想と少し異なり、無自覚な加害をテーマのひとつとした小説だった。 私自身、無自覚な加害について考えることが最近多い。 被害者はずっと忘れられないが、加害者は無意識に加害を加え続ける。 時には加害者からの謝罪さえも被害者にとっては加害になりえるのだ。 それほどに被害者にとっては傷が深かったりする。 自身の価値観だけで行動・発言すると、時には加害として受け取られる可能性がある。 人は簡単には変わらないし過去も変えることは出来ないが、未来は変えることができる。 そのことを改めて意識することができるような、そんな一冊だった。 テーマは少し重いが、登場人物の会話や心情描写の多い小説なので、小説をあまり読まない人でも比較的軽く読み進められるように思う。 このコラムを読んだあなたの心が少しでも動いたのであれば、本を手に取り読み進めてもらえると幸いだ。
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