本と人生 3
- os2429
- 5月25日
- 読了時間: 3分

長野県白馬村出身、琉球大学在学中の23歳です。4年ほど休学中で、いわゆる「自分探し中」日本や世界をうろうろしながら遊んだり時々稼いだりしています。来年復学するつもりです。
紹介する本:妖怪アパートの幽雅な日常 私の人生に影響を与えた本として一番に思いつくのがこのシリーズ。私が中学生の時に読んだ、いわゆる児童書ジャンルだが、侮るなかれ。 主人公は事故で両親を亡くした高校生の男の子。高校進学をきっかけに居候していた親戚の家を出て、寮に入る、、はずが、入寮の日に全焼。途方に暮れていたところに怪しい不動産屋さんが現れ、怪しいアパートを紹介される。実はこの寿荘、人間と妖怪が共に暮らす、「妖怪アパート」。手だけの身体で超おいしい賄いを作ってくれる るり子さん、人間に憧れるサラリーマン 佐藤さん、庭いじりが趣味の山田さん、なんか急に地下に滝を作ったりする大家さん、なんかずーっと無言で麻雀してるよくわかんないやつら、そのへんにいる有象無象。そして、人間とは思えないようないろいろと変わってる大人たち。変な人間たちや妖怪たちに戸惑い、それまでの「普通」や「常識」が壊されまくりながらもだんだんと打ち解けていき、そして始まる高校生活もいろいろありながら、、というストーリー。妖怪の出てくる不思議な物語なのに、飄々と進んでいく日々が楽しい。 ちょっとひねくれた主人公や周りの人々の日々の中で、「普通」「常識」とは?「正義」とは?を考えさせられる。そして主人公が言われるこのセリフ「君の人生は長く、世界は果てしなく広い 肩の力を抜いていこう」これをきっかけに、広い世界を見たい、自分の「普通」を広げたい、と考えるように。あれから数年たち、やっと旅することが、自分の力で、できている。考えを止めないこと、自分を信じること、自分を疑い続けること、動き続けること、自分の核になっている。 このコラムを書くにあたって、このお話のことをいろいろ調べていたら、出てくる言葉や出来事が心に染みてちょっと涙が出た。主人公の周りに現れる、様々なタイプの大人たち、みんな愛にあふれていて。かといって、干渉しすぎず、人は人 自分は自分、他人は変えられるものではない、救えるなんて傲慢、どうしたって無理なものはある、自分にできることは限られている、みたいな、諦念を持っているのも、良い大人だなと思う。テキトーで、おおらかで、自分勝手で、でも愛があって。 児童書なのでとっても読みやすいし、たしか漫画版もあります、アニメ化もしてるらしい。年齢や経験によっても刺さる部分が絶対にあるはず。みなさん、ぜひ。 最後に、この素敵な機会をくださった栗林さん、ありがとうございました!
コメント