本と人生 5
- os2429
- 5月27日
- 読了時間: 1分

東京都北多摩地域の出身。京都で9年間学び、現在は東海地方でのんびり暮らしています。まちを歩いて、何かを発見することが得意です。気になるものを写真に収めるのが趣味です。
紹介する本:ヘルマン・ヘッセ、実吉捷郎『車輪の下』(岩波文庫、1958年)
ティーンエイジ、多くの人が大人からのプレッシャーや自分自身のエゴと戦いながら、日々を過ごしたのではないでしょうか。 『車輪の下』の主人公は、大人の期待に応え、最難関の州試験を2位で突破し、神学校に入学します。しかし、入学後の厳しい規律、教師の介入、学友との関係のなかで、「自己とは何か」を見つめ直すことになります。 私自身は20,21歳の頃、様々なことに嫌気がさし、自分のあり方について葛藤しました。悩みは今もあり続けますが、そのとき導き出したアイデアは、現在の生きるための基盤となっています。 物語の内容は決して前向きな解決方法を示すようなものではなく、描写も淡々としていますが、少年の心の葛藤を覗くことで、自分自身の心にも思いを巡らしてみると何か開けてくるかもしれません。
Comments