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本と人生1

  • os2429
  • 5月23日
  • 読了時間: 2分

長野県出身、2023年に渡比後、就職・結婚・出産をフィリピンで経験し、現在は子育てをしながら一時帰国を叶えるべく奮闘中。



山椒大夫


故郷を離れて暮らす人の中には、帰省に合わせて、家族や友人と連絡を取る人も多いのではないか。 今では携帯電話一つで、何処にいてもメッセージや電話で近況を知らせあえるのだから昔と比べたら非常に生きやすい。 平安時代、そんな連絡の手段さえまだなかった時代、姉の安寿と弟の厨子王は母に連れられ行方知れずの父を探しに旅に出る。しかし旅の途中に人買いに騙され、母と生き別れとなってしまう。奴隷として売られた先の山椒大夫にこき使われる毎日が始まる。苦難から逃れ、離ればなれとなった両親に再び会えるのか?また、母から託されたお地蔵守りと護り刀は2人にどんな力をもたらすのか?これが大まかなあらすじとなる。   『あの中山を越して往けば、都がもう近いのだよ。筑紫へ往くのはむずかしいし、引き返して佐渡へ渡るのも、たやすいことではないけれど、都へはきっと往かれます。』 恐ろしい人ばかりに出会ったが、神仏の導きでここから先運が開けるなら、いい人たちに出会い、父と母に会えるだろう。安寿は前向きな台詞で逗子王の背中を強く押す。 安寿の言葉と地蔵守りの信仰がなければ逗子王は動けなかったとさえ思わせる。結末は是非読んでほしい。 誰かのポジティブな言葉はチャンスや行動にうつすだけのエナジーを与えてくれる。また、本はお守りのような存在で読んだ分だけ私たちの人生の後ろ盾となってくれるだろう。森鴎外『山椒大夫』青空文




 
 
 

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